すぐ戻ってくるので、チャンネルはそのまま!

iPodのアプリ(脱獄後)のdTunesが利用している音楽検索サービスのseeqpodがサービス停止になっている。

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seeqpodとはWeb上の再生可能なメディアファイルを検索するサービスで、音楽サイトの中心的、重要な技術とされている。そうした技術が音楽業界の大手から著作権侵害で訴えられ、巨額の訴訟費用が必要となり、それが主な原因で民事再生手続きを北カリフォルニア地区連邦破産法裁判所に申請した。

このことと28日からサービスを停止したことは無関係じゃないと思われるが、seeqpod側はサーバー移転のための一時的な停止と述べているという。
seeqpodのWebサイトにはWe'll be back soon, stay tuned!という1行があるのみ。
サイトでの検索サービスは停止しているが、seeqpodの検索サービスはそれを利用しているところでまだ健在で、開発者が訴えられたくらいで閉鎖したり停止したりはしていないようだ。
 ★favtape.com
記事を読むとこのfavtapeも訴えられたのだが、こうなると検索サービス自体が著作権侵害といっているようなものだ。大企業が訴訟を起こし個人開発者や小さな業者をびびらせて、自分たちでなんでもコントロールしようということなのだろう。
seeqpodはメディアファイルを検索する強力なツールなので、動画も同じことになる。


2月26日の記事では、まずタイトルにあるように昨年ワーナーグループがseeqpodを訴えている。そして今年になってEMIも訴訟を起こしたが、訴えられたのはseeqpodだけなく、その技術を利用したサイトの開発者も訴えられた。seeqpodの技術を利用した音楽サイトは数多くあるが、訴えられたのはRyan Sitが開発したFavtapeというサイト。このサイトはseeqpod同様、Web上にある音楽ファイルを探し出すだけで、利用者が楽曲をアップロードする仕組みではない。利用者が楽曲(音楽ファイル)をアップロードする仕組みの音楽サイトは著作権侵害で訴えられ、姿を消している。
楽曲の違法コピーとネットへの放出はいわゆる海賊行為なので著作権侵害で訴えられる。音楽業界はネット販売・配信を進める一方、自分らでコントロールするため業界外のサービスは念入りにつぶしてきた。
しかし今度のseeqpodへの圧力は現在のWebの基幹である検索サービスにかけてきている。


はじめのワーナーの訴えは、「オンデマンドで無許可のデジタル配信を一般向けに流す」行為は、「海賊版のサイト」から違法コンテンツを配信している行為に相当し、これを通して同社はコンテンツの著作権侵害に直接加担している、または素材の提供を通して著作権侵害を働いている。というものらしい。
この訴えは通るのだろうか。seeqpodはメディアファイルの検索が得意な検索エンジンに過ぎない。それが強力で便利で使い勝手がいいので多くのデベロッパーが利用している。
無許可の音楽、画像、動画を検索して表示させ、サービスとしてビューワー、プレーヤーを提供しているのは、seeqpodだけではなく検索エンジンすべてだ。動画の場合利用者が専用のサイトに動画をアップロードしており、それで成立している。


google他メジャーな検索エンジンに、画像検索、動画検索のオプションはあっても音楽ファイルの検索はない。百度はあるけど。しかし検索の常識としてそんなもんなくてもユーザーは簡単にgoogleでMP3・音楽ファイルを集めることが出来る。たとえばfireFoxにはgoogle music Searchというプラグインがあるが、使った結果はseeqpodと同じである。


ワーナーは自分たちの権益を守るため上記のような訴えをseeqpodに対して行い、音楽ファイル検索の開発、提供に対して圧力をかけてきたが、EMIは「海賊版のサイト」から違法のコンテンツを配信、または仲介することも違法だという。
結果的に海賊版の音楽ファイルを探し出して提供してしまうseeqpodはサービスを停止に追い込まれた。音楽業界はひとつ問題をクリアしたことになる。しかし、検索エンジンとそれを利用したサイトまで圧力かける目的は何なのだろうか。


確かにseeqpodの機能を利用した違法コピー、楽曲のダウンロードはまずいのだが、それはネットに放出されつづけるファイルとダウンロードを容易にするブラウザ、アプリ、ユーザーの共同作業だ。seeqpodが停止すればなくなるものではない。

We'll be back soon 
いささか悲しげな一行だが、どうのように戻ってこれるか、今後は注意してみてみようと思う。